日本口腔衛生学会北海道地方会開催

第18回総会・学術大会が北海道学術交流会館で開かれ、一般口演8題があった。また、16時からの特別講演 佐久間汐子先生が新潟大学の取り組みと成果について約2時間詳細にお話になり、聴衆は大変感銘を受けた。

特別講演から「フッ化物応用と地域歯科保健」

フッ化物洗口(F洗口)は、37年前(1970年)新潟県弥彦小学校で開始された。有効性の評価の過程で、就学前からのF洗口の必要性が示唆され、現在では、保育園の4,5歳児から中学校卒業時まで11年間、施設単位で行うことが効果的な方法として認められている。

F洗口の有効性に関する評価は、開始当初から行われ、その確認に基づいて新潟県歯科保健計画:むし歯半減10か年運動(1981〜1990年)の主要な予防手段として位置づけられた。その後、ヘルシースマイル2000プラン(1991〜2000年)、ヘルシースマイル21(2001〜2010年)と本計画の発展に伴い、フッ化物洗口の実施施設数は着実に増加した。2005年では小学校で316校(55%)、保育園・幼稚園では376園(40.8%)が実施している。また、ヘルシースマイル21では、8020育成事業と銘打ってフッ化物洗口との複合応用として、学校歯科健診でのCOに対して予防勧告(シーラント応用など)を行うように指導されている。

新潟県は、今年度、子どもたちのむし歯半減を目標として進めてきた歯科保健計画の25年の成果についてまとめた。それによると、12歳児の一人平均DMFTは1980年の5.03本から0.99本(2006年)と驚くべき減少を示している。小・中・高校生のカリエスフリー者の割合は20.4%から63.5%へと健康度は大きく向上した。このようなめざましい改善の要因として、県は、フッ化物応用によるむし歯予防が進んだことをトップにあげている。そして、ヘルシースマイル21として3期目に入った歯科保健計画は、永久歯のむし歯対策に加えて、乳歯のむし歯予防、歯周疾患予防、さらには障害者・高齢者対策へと事業計画の範囲は拡大している。

このたびは、フッ化物応用の普及啓発に向けて行った研究報告と、新潟県の歯科保健計画の成果について紹介していただいた。