フッ化物洗口ワークショップのご報告
平成24年8月19日、札幌パークホテルにて北海道歯科医師会の上田昇先生をお招きして、フッ化物洗口ワークショップが行われました。
以下にワークショップの内容をご紹介させていただきます。
フッ化物洗口推進ワークショップ報告
1 日 時 平成24年8月19日(日)11:00〜12:30
2 場 所 札幌パークホテル
3 従事者
(1) 講 義:上田 昇(北海道歯科医師会)、葭内顕史(北海道子どもの歯を守る会)
(2) 寸劇スタッフ:阿部浩保、行木隼人、中村光一、兼平 孝、藤澤雅子、瀧川裕子(北海道子どもの歯を守る会)、木下隆二、魚津修二(北海道歯科医師会)、渡邉祐美子(北海道教育庁学校教育局)
(3) 解 説:丹下貴司、高橋 収、新里勝宏(北海道子どもの歯を守る会)
(4) 司 会:樋口俊夫(北海道子どもの歯を守る会)
4 内 容 上田先生の講義では、主に歯科医師会のフッ化物洗口に取り組むスタンス等のお話があり、葭内先生の講義では、フッ化物洗口法をなぜ学校で実施しなければならないか等のお話がありました。寸劇では、寸劇のなかの発言に潜む問題点をグループで討議したものを発表し、それに対する解説がありました。以下に問題となった発言と解説の要点を記載します。
㈰「フッ化物洗口を受けていれば、歯磨きしなくてもむし歯になりにくくなります。」
→解説:う蝕予防に対するエビデンスが低いことから、口腔清掃を否定するのは不適切。
㈪「児童全員にフッ化物洗口を受けていただく予定としております。」
→解説:フッ化物洗口は全員に強制する事業ではない。
㈫「校長先生が職務として命令したら従うのでは?」
→解説:「業務が増えることは確かだが、子どもたちのむし歯予防、一生の健康を作る礎となるというメリットを理解して、何とか折り合いをつけていただきたい。」と理解を求める。
㈬「むし歯は伝染病ではありませんが、むし歯菌の感染による感染症です。」
→解説:「感染予防に力を注ぐべき」との意見が出る可能性があります。
㈭「濃度を倍にして900ppmにするとか、450ppmの週1回法で済ませるとか」
→解説:450ppmの週1回法では十分な効果は期待できませんし、2倍量にして900ppmとすることは、用法・用量を逸脱するので、推奨できません。
㈮「貧困家庭では、むし歯が多い上に治療も受けていない・・こういった子ども達のため」
→解説:「治療費の補助を手厚くすべき」など、かえって反発が強くなる恐れがあります。
㈯「フッ化ナトリウム試薬は特に保管を厳重に行う必要はない」
→解説:鍵のかかる場所で保管し、管理者を明確にし、出納簿をつける必要があります。
㉀「学校で試薬を計量する」
→解説:学校薬剤師または歯科医師が計量します。
㈷「薬品を溶かす作業を私(養護教諭)が行って良いものなのでしょうか?」
→解説:薬品を溶かす作業は特に資格を必要としません。
㉂「何かあったときの責任は」
→解説:万が一事故等が発生した場合は、個人の責任が問われることはありません。
5 感想等 女優陣の迫真の演技がすばらしかったという声が多かったです。(中山司)