会員の活動報告

【会員の活動報告】 
 日 時:平成29年8月20日(日) 
 場 所:札幌パークホテル 
 第70回北海道歯科学術大会 
「札幌市の乳幼児う蝕と地域差―平成18年度から平成27年度の推移-」の演題で

 畑 良明先生が発表なさいました。 聞き逃した皆さん、抄録と結果をご覧ください。

抄録:「幼児期におけるう蝕は,減少を続けているが,乳歯う蝕の多いものがそのまま永久歯う蝕も多くなる可能性ある疾患でもある。さらに,う蝕は地域差がある疾患でもあることが知られており,その発生要因は個人的要因と社会的要因に分けることができ,常に社会情勢に影響を受けていることに異論を持たない。しかしながら,早期からフッ化物を応用することによって地域格差を減少させられる疾患であり,市町村の乳歯う蝕に対する姿勢そのものが、顕著に表れる疾患である。今回,札幌市における乳幼児う蝕の推移を最近の10年間に限定して明らかにし、同一の保健サービスを享受している地区での乳歯う蝕に対する格差の推移を合わせて調査を行った。

結果:10年間に1歳6か月児歯科健診を受診した138,515名、3歳児歯科健診を受診した133,191名の歯科健診結果を基にう蝕有病者率の変遷について一般線形モデルによる分析を10保健センター別に調査し、その減少率に地域的、時間的差があり、逆に全く減少していない区も存在することが明らかになった。社会的格差係数を用いて経時的変化を調査した結果、1歳6か月児では明らかに格差が拡大しているといえるが、3歳児では齲蝕有病者率においてのみ拡大していることが判明した。